こんなこと、ありませんか?

秋が深まってくると、施術中にお客様から喉のお話をお聞きすることが増えてきました。

  • 朝起きたら、喉がガラガラ、カラカラ
  • お肌だけじゃなくて、口の中まで乾いている
  • 起きて最初の「おはよう」がかすれていて、自分でびっくりした
  • 夏ほど水分補給を意識しなくなったら、いつのまにか喉がガラガラに
  • 飲み物を飲むと、喉にしみるような違和感がある
  • カラオケで歌おうとしたら、喉がイガイガする

夏は汗をかくので、のどが渇く前に飲もう、と意識しやすいですよね。
でも涼しくなると、それをつい忘れてしまいます。
そこに空気の乾燥が重なるのが、ちょうど今の時期です。

今日は、乾燥する季節に喉をいたわる食べ物と飲み物を、元栄養士の目線でお伝えします。

喉が乾くと、なぜガラガラするの?

喉の内側は、うすい粘液の膜でおおわれています。
その中には「線毛(せんもう)」という、とても細かい毛のようなものが並んでいて、吸い込んだほこりやウイルスを粘液でとらえ、外へ送り出してくれています。
咳や咳払いは、体の外に体内にはいらないものを吐き出す体の反応とも言えるそうです。

ところが、空気が乾燥すると粘液が減ってねばつき、線毛の動きが鈍くなります。
湿度が40%を下回ると、この働きが大きく落ちるといわれています。
喉の守りが手薄になって、ガラガラ、イガイガしやすくなるんです。

ちなみに、インフルエンザなど一部のウイルスは、乾燥した環境のほうが長く生き残りやすいといわれています。
体の守りが弱まるうえに、ウイルスにとっては動きやすい環境。
冬に流行りやすいのには、こうした理由もあるんですね。

朝がいちばん乾いている理由

「朝起きた時がいちばんカラカラ」というお声が多いのには、理由があります。

  • 寝ている間は、唾液が減る:唾液は日中より夜のほうが少なくなります。健康な方でも、朝は多少の乾きを感じるものです
  • 口呼吸になりやすい:鼻がつまっていたり、鼻の中が乾いていたりすると、寝ている間に口が開きがちです。乾いた空気が直接喉を通るので、さらに乾きます

口呼吸については、秋の花粉症の記事でも、首や肩のこわばりとの関係をお話ししています。

喉をいたわる食べ物【栄養学の目線】

まずは、喉の粘膜を支える栄養素からです。

①ビタミンA(β-カロテン):粘膜の健康を保つ

ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
喉や鼻の内側も「粘膜」なので、乾燥する季節には意識したい栄養素のひとつです。

  • にんじん、かぼちゃ、小松菜、ほうれん草など、色の濃い野菜に多いβ-カロテンは、体の中で必要な分だけビタミンAに変わります
  • β-カロテンは油と一緒にとると吸収されやすいので、炒め物や、油揚げ・厚揚げと一緒の煮物がおすすめです

私もよく、厚揚げと大根と人参の煮物を作ります。
厚揚げの油が、人参のβ-カロテンの吸収を助けてくれる組み合わせです。

②ビタミンB2:皮膚や粘膜の健康を支える

ビタミンB2も、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

  • 納豆、卵、牛乳、さば缶など、身近な食べ物に含まれています
  • 朝ごはんに納豆や卵を一品足すだけでもとれます(朝ごはんの記事で、手軽な足し方をご紹介しています)

③飲み物の「中身」も見直してみる

水分をとっているつもりでも、コーヒーや緑茶、紅茶などカフェインを含む飲み物には、尿の量を増やす働きがあります。
アルコールも同じです。

もちろん、やめる必要はありません。私も温かい紅茶が好きです。
ただ、それだけで水分補給をしたつもりにならず、白湯や麦茶など、カフェインのない飲み物も一緒にとるのがおすすめです。
詳しくは汗をかいた日の水分補給の記事をご覧ください。

「白い食材」で喉をうるおす?【薬膳の目線】

「秋は白い食べ物がいい」と聞いたことはありませんか?

これは、薬膳(中医学)の考え方です。
薬膳では、季節や体の働きを5つに分けて考えます。
秋は「肺(呼吸や喉、皮膚に関わるところ)」の季節で、色でいうと「白」にあたります。肺は乾燥が苦手なので、秋は白い食材で体をうるおそう、という考え方です。

薬膳でよく挙げられる白い食材は、次のようなものです。

  • 大根
  • れんこん
  • 豆腐、豆乳
  • 白ごま
  • 梨
  • 白きくらげ

ここで、元栄養士として一つだけお伝えしておきたいことがあります。
「白い食材が喉をうるおす」というのは薬膳の考え方で、栄養学で「白い色の成分が喉に効く」と分かっているわけではありません。
栄養学と薬膳は、体の見方がちがうんです。

とはいえ、大根もれんこんも今が旬で、おいしい時期です。
私は、煮物やきんぴらが好きです😋
豆腐や豆乳はたんぱく質もとれますし、食べやすくて喉にもやさしい食材です。
「旬の食材を楽しむきっかけ」くらいの気持ちで取り入れてみてください。

梨については、梨とぶどうの記事で、食べすぎるとお腹がゆるくなりやすい理由もお話ししています。

はちみつと生姜は、温かい飲み物で

はちみつ:ティースプーン1杯から

はちみつは、昔から喉のケアに使われてきた食べ物です。
1歳以上の子どもの咳について、はちみつで症状がやわらいだという研究もあります。

私は最近、温かい紅茶を淹れる時に、はちみつをティースプーンでひとさじ入れるようになりました。

※1歳未満の赤ちゃんには、はちみつを与えないでください。
乳児ボツリヌス症の原因になることがあります。加熱しても防げません。

生姜:料理にちょい足し

生姜は、生のままだと「ジンゲロール」、加熱すると「ショウガオール」という辛み成分が多くなります。
温かい料理に入れると、体がぽかぽかしやすいといわれています。

私はこの秋、料理に生姜を意識して入れるようになりました。

  • 茄子とピーマンのみそ炒め
  • 厚揚げと大根と人参の煮物
  • 肉じゃが風の煮物
  • 鶏肉と野菜のポン酢炒め

チューブの生姜でも大丈夫です。
「いつもの料理にちょっと足す」くらいが、続けやすいと思います。
生姜は3つの首の記事でも、冷え対策としてご紹介しています。

喉がイガイガする日の「生姜はちみつミルク」

栄養士として働いていた頃、喉がイガイガするという方にお伝えしていた飲み方です。

  1. ホットミルク、または温かい豆乳を用意します
  2. すりおろした生姜(チューブでもOK)を少し入れます
    (お好みで。少量ずつ足していくことをおすすめします)
  3. はちみつをティースプーン1杯ほど溶かします

牛乳や豆乳は、ビタミンB2やたんぱく質もとれます。

熱すぎると喉にしみることがあるので、ひと肌より少し温かいくらいで、ゆっくり飲んでください。
生姜の量は、辛みを感じない程度からで大丈夫です。

はちみつは、糖分の多い食べ物です。
糖尿病などで食事の指導を受けている方は、主治医の指示に従ってください。

施術で感じる、秋の喉と手

施術をしていると、喉そのものより、こんなところで「乾燥の季節が来たな」と感じます。

  • うつ伏せの時に、いつもはしない咳や咳払いをされる方が増えた
  • 施術の前にお出しする白湯を「もう1杯ください」と言われることがあった
  • 冷たいお水より、白湯をリクエストされる方が増えた
  • 鼻の中がカサカサなのか、口で呼吸している方が増えた

それから、手です。
指先や手の甲が乾燥している方が多く、「いつもより手が乾いているな」と感じることがあります。

お肌の乾燥はハンドクリームで気づけますが、喉や口の中の乾燥は、つい後回しになりがちです。
手が乾いてきたら、喉も同じように乾いているかもしれない、と思い出してみてください。

寝る前の1杯の白湯

栄養士時代からずっとお伝えしているのが、夜寝る前に1杯の白湯を飲むことです。

寝ている間は唾液が減って、喉も口の中も乾きやすくなります。
寝る前に温かいものを少し飲んでおくと、喉がほっとします。
ほっと息を吐くと、肩と首の力も抜けるのでおすすめです。
たくさん飲むと夜中にトイレで起きてしまうので、コップ1杯、またはひと口からで大丈夫です。

寝る前のひと口の水分は、夜中に足がつる記事でもおすすめしています。

食べ物とあわせて、お部屋の湿度も見てみてください。
湿度は50〜60%くらいが目安です。
加湿器がなくても、寝室に濡れたタオルを干すだけでも違います。

こんなときは、受診を

乾燥による喉の不調は、多くは数日で落ち着きます。
ただ、次のような時は、我慢せず耳鼻咽喉科や内科を受診してください。

  • 声のかすれが2週間以上続く
  • 飲み込みにくい、喉に何かつかえている感じがある
  • 喉の痛みが強い、高い熱が出ている
  • 息苦しさがある
  • 喉ぼとけの近くに、しこりのようなものがある

まとめ

  • 喉がガラガラするのは、乾燥で喉の粘膜の守りが手薄になるから。朝は唾液が減り、口呼吸も重なって、いちばん乾きやすい
  • 粘膜の健康を支えるのは、ビタミンA(β-カロテン)とビタミンB2。にんじん・かぼちゃは油と一緒に、納豆・卵・牛乳は手軽に
  • 「白い食材」は薬膳の考え方。旬を楽しむきっかけに
  • はちみつと生姜は、温かい飲み物や料理にちょい足し。1歳未満の赤ちゃんにはちみつはNG
  • 寝る前の1杯の白湯と、お部屋の湿度も一緒に

完璧に喉のケアをしようとしなくて大丈夫です。

あなたの体は、乾いた空気の中でも、毎日喉を守ろうとがんばっています。
無理なくできることから、少しずつ。