こんなこと、ありませんか?

施術中に、お客様からお聞きする「足がつった」お話です。

  • 起き抜けに伸びをしたら、ふくらはぎがつった
  • ぐっすり眠っていた深夜に、足の裏がいきなりつった
  • 普段はスニーカーだけど、仕事でヒールを履いて5時間以上立っていた日。
    夜、湯船の中でふくらはぎがつった
  • 1週間のうちに、右、左、と交互につった
  • 右足がつって、寝ぼけながら伸ばしたら、次に左足がつった
  • 高い棚の物を取ろうと背伸びをしたら、ふくらはぎと太ももが同時につった
  • 朝、布団の中で伸びをしたら、わき腹がつった

最後のわき腹は、意外に思われるかもしれません。
でも「つる」のは足だけではないんです。

あの痛さで目が覚めると、しばらく動けませんよね。
つったことで起きてしまうと、何が起こったのかに軽く混乱することもあります。
私は、足がつったことにびっくりして、変な体勢になってしまい、わき腹もつったことがあります。あれは、びっくりしました…。
今日は、なぜつるのか、そして寝る前にできることをお伝えします。

足がつるのは、筋肉の「センサー」の行き違い

筋肉の中には、伸び縮みを見張るセンサーがあります。
(筋肉の構造上は、伸びる、縮む、という言い方は適切ではありませんが、わかりやすくせつめいするため、伸び縮み、と表現します)
「伸びすぎているぞ、縮めて」「縮みすぎだ、ゆるめて」と、ふだんはバランスよく調整してくれています。
脳も筋肉も、ちゃんと考えて動いてくれています。無意識下で!

ところが、筋肉が縮んだ状態のまま、さらにギュッと力が入ると、この調整がうまくいかなくなることがあります。
そうすると、「縮め」の指令が止まらなくなります。
これが、足がつる(こむら返り)状態だと考えられています。

さきほどのお話を、もう一度見てみてください。

  • 寝ている時:仰向けで寝ると、つま先は下を向きやすく、ふくらはぎは縮んだ姿勢が続きます。掛け布団の重みで、つま先が押されることもあります
  • 伸び・背伸び:つま先をぐーっと伸ばす動きは、ふくらはぎを縮めながら力を入れる動きです
  • ヒール:かかとが上がっている間、ふくらはぎはずっと縮んだまま働いています

どれも、ふくらはぎが「縮んだまま、がんばっている」場面なんです。
そこに、疲れ、冷え、水分やミネラルの不足が重なると、つりやすくなります。

ちなみに、夜中に足がつるのは、実は冬より夏の方が多いという海外の調査もあります。
汗で水分やミネラルが出ていくことが関係しているのかもしれません。
ただ、施術をしていると、秋に入ってから足の状態が変わってきた方も多いです。
そのお話は、後ほど。

寝る前・お風呂でできる3つのこと

①湯船の中で、かかとをつかんで伸ばす

体が温まっている時に伸ばすのがおすすめです。
私自身が続けていて、夜中につりにくくなったストレッチです。

  1. 湯船の中で、座った状態で、片方の膝を伸ばします
  2. 伸ばした足と同じ側の手で、かかとをつかみます
    (もし、足を伸ばしたまま、かかとがつかめなかった場合、膝を曲げてかかとをつかんでから、膝を伸ばすのもOK)
  3. 掴んだ手を離さず、ふくらはぎ・アキレス腱・太ももの裏を伸ばします
    (膝が曲がっていても、太もも裏やふくらはぎが伸びていればOK)
  4. ぐぐぐっと20秒ほど。反対の足も同じように
  • どこが伸びていればOKか:ふくらはぎから膝の裏、太ももの裏にかけて
  • 気を付けてほしいこと:のぼせないよう、長湯はしないでください。湯船で滑らないよう、手すりや浴槽のふちに片手を添えて
  • いきなり片足ずつストレッチをしようとすると伸びにくいこともあるかもしれません。
    先に、浴槽に座り両足を伸ばした状態で、つま先をつかむか触るかして、足全体の後ろを伸ばすストレッチをしてからでもOK

②椅子で四の字+足首まわし

腰痛の記事でご紹介した「四の字」に、ひと手間足します。

  1. 椅子に浅く腰かけ、右の足首を左の膝の上にのせて「4」の字にします
  2. 背すじを伸ばしたまま、上半身をゆっくり前に倒して10〜20秒。お尻と太ももが伸びます
  3. そのまま、右足の指の間に左手の指を差し込みます(手と足でガッチリ握手するように)
  4. 足首をゆっくり、外回し・内回しを5回ずつ
  5. 反対の足も同じように
  • どこが伸びていればOKか:お尻、太ももの外側。足首まわしでは、足の甲と足の裏
  • 気を付けてほしいこと:足の指が痛い時は、指は浅く差し込むだけで大丈夫です
  • 腰や足首が痛い場合は、無理してやらない。

詳しいやり方は、腰痛の記事にも書いています。

③自分を抱きしめて、左右にひねる

わき腹がつった、という方に。わき腹と腰まわりのストレッチです。

  1. 椅子に座るか、立ったまま、両腕で自分を抱きしめます
  2. 手の指が、あばら骨とあばら骨の間に入るように置きます
  3. そのまま、ゆっくり上半身を右にひねり、5秒キープ
  4. 正面に戻して、左へも同じように。左右3~5回ずつ
  • どこが伸びていればOKか:わき腹から腰の横側
  • 気を付けてほしいこと:反動をつけず、ゆっくりひねってください

3つとも、痛みが出たらすぐにやめてください。
呼吸は止めず、ゆっくり吐きながら行います。
深呼吸は、鼻から吸って口から吐いてください。
治療中の方は、かかりつけの先生にご相談のうえで。

食事と水分も、見直してみてください

お客様のお話の中に、こんなものもありました。

  • 忙しくて、3食がおろそかになっていた週に、左右交互につった
  • 仕事が忙しく、携帯栄養食で済ませていた時期は、日中も夜中も、ふくらはぎ・足の指・足の裏がよくつっていた
  • 珈琲が好きで、日中の水分はずっと珈琲だった

筋肉がスムーズに縮んだりゆるんだりするには、カリウム、マグネシウム、カルシウムといったミネラルや、水分が関わっています。
食事が偏ったり、量が減ったりすると、こうしたものも一緒に減ってしまいます。
季節の変化に対応するのも大変だと思いますが、食べるものにも少しずつ気を配っていただけると、嬉しいです。
私たちの体は、食べたものでできています。

カリウムやナトリウムの働きは、汗をかいた日の水分補給の記事に詳しく書きました。

珈琲だけの日は、水や麦茶も一杯

珈琲を楽しむのは全然かまいません。紅茶や緑茶も、もちろんです。
ただ、珈琲や一部お茶類に含まれるカフェインには、尿を出しやすくする働きがあります。
水分補給を珈琲だけで済ませず、水や麦茶も一緒に飲んでみてください。

ノンカフェインの珈琲やお茶類も各社商品があります。
好きな味や香りがあると思いますので、1杯から試してみるのも楽しいのではないでしょうか。

寝る前に、ひと口の水分

私は、夜寝る前にコップ半分〜ひと口ほどの麦茶か、常温の水を飲んでから寝ています。
朝は白湯から。
これを続けてから、日中や起き抜けにふくらはぎがつることが減りました。

(朝の白湯については、朝ごはんの記事でもふれています)

ちなみに、マグネシウムのサプリメントで足のつりを防げるかどうかは、今のところはっきりした結論が出ていません。
まずは、いつもの食事と水分から整えてみてください。

もし、つってしまったら

痛くて慌ててしまいますが、まずはゆっくり。

  • つったふくらはぎを、ゆっくり伸ばします。膝を伸ばして、つま先を手でゆっくり体の方へ引き寄せます。手が届かなければ、タオルをつま先にかけて引いても大丈夫です。
  • 急に強く引っぱったり、強く揉んだりはしないでください。
  • 落ち着いたら、ふくらはぎを手のひらでさすって温めます。
    この時、足首から膝裏に向かってさすっていただけると、むくみも足から解消しやすくなります。

施術で感じる、秋の足の変化

ここからは、施術をしていて感じていることです。

7月・8月も、むくみや冷えのある方は多くいらっしゃいました。
ただ、その頃の冷えは、足先やアキレス腱のあたりが中心でした。

9月の後半から、冷え方が変わってきています。
ふくらはぎ全体や、足の裏(土踏まずやかかと)が冷たい方が増えました。

触った感じも変わってきました。
夏の間は、軽くストレッチをして、足首から膝の裏に向かって流すようにほぐすと、柔らかくなりやすかったんです。
それが最近は、

  • 足の裏や足の指の動きが硬い
  • 土踏まずが硬い
  • ふくらはぎをつかんだ時の硬さが違う
  • すねの外側(足三里というツボのあたり)が硬く張っている
  • すねの2本の骨の間が、パンパンに張っている

という方が多くなっています。
「3つの首を冷やさないでくださいね」とお声がけすることも増えました。足首の冷えについては、3つの首の記事に書いています。

私が続けていること

私も、8年ほど前までは、ふくらはぎがよくつっていました。
起きた時につることが多かったです。

今、続けているのは、上でご紹介した3つ。

  • お風呂で、かかとをつかんでふくらはぎを伸ばす
  • 朝は白湯、寝る前にひと口の麦茶か常温の水
  • 靴下屋さんの綿のレッグウォーマー

特にレッグウォーマーは、私にとっては無敵です!
休みの日の日中は気温と相談して、寝る時は必ず着けています。
これを続けて、もう5年くらい、まったくつらなくなってきました。
夏の睡眠の記事でもご紹介した、蒸れにくい綿のものです。
通気性もよいので、あったかく蒸れにくく、個人的には夏でも冬でも過ごしやすいです。

こんな時は、病院へ

足がつること自体は、多くの人に起こります。
ただ、次のような時は、内科や整形外科などで一度相談してみてください。

  • 毎日のように、または週に何度もつる
  • 昼間も、何度もつる
  • 片方の足ばかり、くり返しつる
  • つった後も痛みが引かない、歩きにくい
  • しびれ、むくみ、冷たさが続いている

糖尿病や腎臓、甲状腺の病気、飲んでいるお薬が関係していることもあります。
治療中の方、お薬を飲んでいる方は、かかりつけの先生に伝えてみてください。

さいごに

足がつる日は、体が「ちょっと縮こまって、がんばりすぎているよ」と教えてくれている日なのかもしれません。
首や肩・手のひらに力が入りやすい人、緊張すると汗が出てしまう人、寝ている時に小さく小さく体を丸くしてしまう人。
無意識が行うことですが、少しでもお身体の力を抜いて過ごせますように。

完璧にケアしようとしなくて大丈夫です。
あなたの足は、毎日あなたを支えて、がんばっています。

無理なくできることから、少しずつ。