こんなこと、ありませんか?

9月の連休明けから、お客様からこんなお話を聞くことが増えてきました。

  • 7月や8月に比べて、出勤時の階段で息が切れる。膝がぐらっとする
  • 階段ののぼりがしんどい。膝が痛い
  • 階段の下りで、膝が抜けるような感覚がある
  • 膝裏が張っている。特に何もしていない、出勤しているだけなのに
  • 膝の内側が痛い。パンパンな気がして、曲げづらい
  • 膝に水が溜まっていると言われて、医者から聞いた方法を自身でマッサージしている

「特に何もしていないのに」という言葉が、よく出てきます。
心当たりがないのに膝が気になる。これが、この時期の膝の特徴だと感じています。

9月の膝は、夏の疲れと歩く量の変化が重なります

施術をしていて、はっきり変わったと感じることがあります。

  • 太もも裏(ハムストリングス)から膝にかけての硬さ(硬結)が、8月後半〜9月前半に比べて増えてきた
  • 膝の曲げ伸ばしの範囲が狭い方が、7月に比べて増えてきた
  • 足首の不調を訴える方が多い。中には、連休にお出かけされた方もいた

涼しくなって、歩く量や外出が増える。そこに、夏の間の疲れと冷えが残っている。
この組み合わせが、膝に出てきているのだと思います。
今年の夏は暑くてたまらなかったので、むしろ外出を控えても…とご案内していました。

でも、涼しくなってきて外出が増える=運動量が増える、ということは良いことです!
使い方と疲労度のバランスをうまくとってもらえると良いなぁ。という私の意見です。
私は秋口のこの涼しくなってくる頃合いから、運動をスタートするのをおススメしています😄

「股関節が気になる」と言われて膝裏が硬いことがあります

先週から「股関節が気になる」とおっしゃる方も増えました。
ところが、ほぐしていくと股関節そのものではなく、太もも裏や膝裏、人によっては膝のお皿の上の筋肉が硬いことが多いのです。

膝の痛みも、同じです。
膝そのものより、その上下にある筋肉の硬さが関わっていることがよくあります。
9月の腰痛の記事で「腰痛はお尻や太もも、体側から来ることがある」とお話ししましたが、膝も同じ考え方です。

膝は、太もも(前と裏)とふくらはぎに挟まれた関節です。
上下の筋肉が硬くなって縮むと、膝は引っぱられたまま動くことになります。
上にも下にも仕事を頼まれたら、そりゃあ身動きも取りにくくなります。
力が入りっぱなしで硬くなるしかないです。

下りの階段が、いちばんつらいのはなぜ?

「上りよりも下りがつらい」「下りで膝が抜ける気がする」というお話は、とてもよく聞きます。

階段を下りるとき、太もも前の筋肉は縮みながら力を出すのではなく、伸ばされながらブレーキをかけています。 
地球には引力というものがありますので、体が落ちていかないように支える働きです。
下向きにかかる動きに対して、無意識に上へ引っ張りっこをしているイメージです。
この使い方は、筋肉にとって負担が大きく、疲れも出やすいのです。

ブレーキ役の筋肉が疲れていると、その支えが一瞬遅れます。
それが「膝が抜ける」「膝がぐらっとする」という感覚につながることがあります。

膝が急に崩れるような感覚が何度もある場合は、セルフケアではなく整形外科での確認をおすすめします(この記事の最後にまとめています)。

お客様にお伝えしている、3つの動き

いつも施術の中でお伝えしている動きです。
順番に全部やらなくて大丈夫です。
気になるところ、ひとつだけでも十分です。

共通の注意

  • 痛みが出たらやめてください
  • 反動をつけない、呼吸を止めない
  • 膝の治療を受けている方、水が溜まっていると言われた方は、かかりつけの先生の指示を優先してください

①太もも前のストレッチ(片足正座)

片方の足だけ正座の形にして、上体を後ろに倒します。
余裕があれば、そのまま仰向けまで、ぱたりと倒れてもよいです。

  • 回数・時間:片足10〜20秒、1回ずつ
  • どこが伸びていればOK:正座している側の、太ももの前側
  • 膝が浮いてしまう場合:もう片方の足を四の字に曲げて、かかとを曲げている膝の上に乗せ、重しにします
  • やりがちな間違い:膝が痛いのに我慢して倒すこと。痛みが出る手前で止めてください

倒れるのがつらい方は、上体を少し後ろに傾けるだけでも構いません。
その時に、上体を支えるために後ろに手をついてもらってもOKです。

②クッションを挟んで、足を上げる

椅子に座って、両膝の間にクッションを挟みます。
そのまま、挟んだクッションを落とさないように、股関節から両足を持ち上げます。

  • 回数・時間:上げた位置で5〜10秒キープ。ゆっくり下ろして、また上げて5〜10秒キープ。5〜10回。できる範囲で増やしてもOKです
  • ポイント:できれば、下ろした時に、太もも裏を椅子につけずに行います
  • 難しい場合:キープなしで、ゆっくり上げ下げするだけでも構いません。10〜20回。こちらも、できる範囲で増やしてOKです
  • どこに効いていればOK:太ももの前側と、内ももにじんわり力が入る感じ
  • やりがちな間違い:勢いや反動で上げること、息を止めること。クッションを落とさないよう挟み続けるのが大事です

これが、私が昔遭った交通事故のあとから続けている運動です。
私のことは、この下に書いておきます。よければ読んでください。

③膝裏に、拳を挟む

手をグーの形にして、膝の裏に入れます(右手なら右膝、同じ側で行います)。
そのまま膝を曲げて、膝裏でぎゅっぎゅっと拳を挟みます。

  • 拳が痛い場合:手をチョップのような平らな形にして、膝裏で挟みます
  • どんな感じならOK:膝裏のつまった感じが、ゆるんでくる感覚
  • やりがちな間違い:強く押し込むこと。挟む力も、痛いところまでいかなくて大丈夫です

「膝裏が張っている」という方に、いちばんお伝えしている動きです。
リンパの流れやむくみが気になる方にも、おすすめしています。
拳を握ることにも、膝裏で挟むことにも、力を入れ過ぎないようにお気を付けください。

冷えも、膝の硬さに関わります

筋肉は冷えると縮みます。
3つの首の記事で書いたとおり、この時期は自覚がないまま足首が冷えていることがあります。
足首が冷えて縮こまると、その上のふくらはぎ、膝裏まで硬くなりやすいです。
あたたかい血液が行き渡りにくくなったり、血液が運ぶ栄養が届きにくくなったりするからです。

夏の睡眠の記事でご紹介したレッグウォーマーは、足首からふくらはぎを覆ってくれるので、この時期にも助けになります。
古くなった靴下のつま先を切って、レッグウォーマー(仮)を作っていただいてもいいと思います!糸くずにだけ気を付けてご使用ください。

ストレッチは、体が温まっているとき(お風呂上がりなど)のほうが伸びやすいです。
ほかのストレッチは8月の首肩の記事にも書いていますので、よければどうぞ。

こんな時は、整形外科へ

膝は、セルフケアで様子を見てよいものと、診てもらったほうがよいものがあります。
次のような時は、早めに整形外科を受診してください。

  • 膝が急に崩れる、力が抜けて体重を支えられない
  • 膝が腫れている、熱を持っている、赤くなっている
  • 曲げ伸ばしが途中で引っかかって動かない
  • じっとしていても痛む、夜中に痛みで目が覚める
  • 転んだ、ひねったなど、はっきりしたきっかけのあと痛みが続いている
  • 発熱と一緒に、膝が痛む

「水を抜くとクセになる」と言われますが

これは、私が調べた限り、今では誤りだと説明されています。
水が何度も溜まるのは、溜まる原因(関節の中の炎症)が続いているからで、抜いたからではないそうです。

膝に水が溜まっていると言われた方は、自己流のマッサージよりも、まずかかりつけの先生に「今どうするのがよいか」を確認してください。
原因を落ち着かせることが先で、私たちができるセルフケアはその後の支えになる部分です。
何度も言うようですが、私に診断はできません。
専門の知識を持っている、お医者さんへご相談をお願いします。

私の左膝の話

実は、私自身、左膝は雨の日が分かるくらい、しくしく痛みます。

高校生のときに自転車で交通事故に遭いました。
車と車の間からゆっくり横断歩道を渡ろうとしたところ、踏切の向こうから来た車に前輪をひっかけられて、その場で転んで左膝をアスファルトに打ちつけました。
骨に異常はなかったのですが、真っ青の打ち身になりました。

その時に行った整形外科で言われたのが、「あなたの膝は、人より動く範囲が大きい。だから動きすぎて痛めやすい」ということでした。
交通事故と打ち身で行ったのに、本来の私の膝の人と違うところがわかりました。

それ以来続けているのが、椅子に浅く腰かけて、左右の膝でクッションを挟み、落とさないように上下させる運動です。
10回を、少なくとも2〜3日に1回。テレビを見ながらやっています。
膝をぐらつかせないための、ささやかな筋トレです。

台風や雨の前に違和感が出るのは、私の場合、この時期に限らず1年中のことです。
ですので、私の膝の話は「この季節だから」ではありません。
ただ、1度痛めた場所は長く付き合っていくものだ、ということは実感しています。

できることから、ひとつだけ

完璧に3つ全部やろうとしなくて大丈夫です。

今日は、テレビを見ながらクッションを膝で挟んでみる。
お風呂上がりに、膝裏に手を入れてみる。そのくらいで十分です。

あなたの体は、涼しくなってまた動き出した毎日を、ちゃんと支えてくれています。

無理なくできることから、少しずつ。